台本の国(たきで)

ふと、今まで見た怖い夢を思い返していたら、物語のような夢を見た事を思い出したので書きます。

-------------------

ある日、日本に突如王様制度が誕生する。
そして新しい王様が
「人は生まれながらにして、その人その人の役割が台本のように決まっている。だから一人一人に対して政府が人生の台本を作って割り当てるから、それぞれ自分の役割を全うするように。そうすれば社会がうまく回る。」
という命令をする。
人々は王様を信仰する者と反対派に分かれる。政府は台本に従わない者を捕らえ始める。初めは僕も仲間達も「自分にはやりたいことがあるんだ!」と反対派だったが、やがて政府から逃げるうちに親友以外とは散り散りになってしまった。

僕と親友は、地元の仲間しか知らないようなひっそりとした隠れ家のような場所で生活する。
その結果、政府から隠れて長く過ごし続けられたが、 ある日、親友が外の様子を見回りに行っている間に、僕は政府の役人達に見つけられてしまう。僕を捕まえたのはかつて一緒に逃げていた仲間達だった。「やっぱりお前はまだこんなところにいたんだな!お前も王様に従えよ!王様の考えは素晴らしいんだ!」
彼らはすっかり王様信仰に染まっていた。
政府に捕まると思想を植え付けられるらしい。彼らは警備を仕事として与えられ、出世していた。どうやら親友も、近くで捕まってしまったようだった。

そして時は進み、僕も自分に与えられた役割を熱心にこなす日々となる。役割を果たすために親友と自由に会う時間はめっきりなくなってしまった。でもなぜか、そのことに誇りさえ感じていた。
しかし、ある仕事中に親友の姿をたまたま見つけた。一瞬だけ目を合わせる。仕事中の互いの姿を見て「ちゃんとお前は"お前"をやれてそうだな。」と、目と目で語り合いながら微笑み、別れる。映画の一場面みたいに。


という幸せそうな雰囲気のところで夢は終わり。本当にやりたいことがあったはずの僕も親友も、そんなことはどうでもよくなって、与えられた役割に従うことに何の疑問も抱かなくなり、満面の笑みを浮かべる最後のシーンに狂気を感じた。幸せそうでどこか狂ってるのに全員笑顔でハッピーエンドを装ってるのがぞくっとして目が覚めた。

 

------------

〈おまけ〉今まで見た怖い夢ランキング

ランク外!寝返りも打てない細い牢屋に3年間投獄される!
3位!恐怖!拳銃持った殺し屋達が家に突然入ってきて襲いかかってきて、山に逃げても谷に逃げてもどこまでも追いかけてくる。
2位!戦慄!殺してしまった死体をどこに隠すか必死に考えて隠す!
1位!絶望!疲れた母がヒステリーを起こして祖母を角材で撲殺する!その後場面が変わって祖父が包丁で割腹する!
特別賞
新たな国、台本の国爆誕!僕達の運命やいかに!?