宗教勧誘(たきで)

昨日、宅配便が来る予定だった。

一人暮らしの僕は風呂にも入れず、部屋でずっと待機していた。

20:00頃僕が痺れを切らしそうになっていたところ、やっとチャイムが鳴った。

そこで待ってましたとドアを開けると、

目の前にいたのは配達のいつものおっちゃんではなく、ニコニコした若い学生風の男女だった。

普段アポなしの訪問に対しては居留守派の僕は(しまった…!)と思いながらも応対した。

「すいません、夜遅くに。〇〇という大学サークルのものですが、簡単な調査をさせて頂いてもよろしいですか?」

〇〇は大学で有名な宗教系のサークルだったため、僕はわざと露骨に嫌な顔をした。

「はぁ…。いやすいません、今忙しいんで」

「待ってください、今何してたんですか?」

(なんでそんなこと聞くんだよ)と思いながら僕は上手い嘘をコンマ数秒で思いついた。

 

「今友達と電話してたんですよ。今も通話中なんでいいですか。」

と携帯(通話などしていない)を見せながらドアを閉める。

 

「ちょっと待ってください、あと一ついいですか?何年生ですか?」 

「はぁ、〇年生ですけど、じゃあ」

「ありがとうございます、機会があれまた々お願いしま」バタン

 

日頃ふざけて嘘を出任せで言っていた成果がこんなところで役立つとは。よかった。

 

そして結局来なかった宅配便、おのれ。